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1. MBTI®とは

 MBTI®[i]とは、Myers-Briggs Type Indicator®の略で、スイスの心理学者であるカール・グスタフ・ユングが提唱したタイプ論(心理学的類型論)[ii]を元に米国人のキャサリン・クック・ブリッグスとその娘、イザベラ・ブリッグス・マイヤーズ親娘によって長年にわたり研究開発され、発刊後も再研究および開発がなされている心理検査でありそのメソッドになります。

心理検査としておりますが、性格を診断したり、測定したり、評価するいわゆるアセスメントツールではなく、MBTI®認定者のフィードバックを受けながら受検者が自分自身を理解していく過程を最も重視しており、心の意識化を図ることを目的としています。

 MBTI®と他の心理検査が大きく異なっている点は、性格を「質」的に異なるものとして、自己と他者とを比較しないことにあります。個々人の性格の違いが能力の差の違いであると捉えないようにしなければなりません。MBTI®では性格の違いを「質」的な違いとして肯定的に受容し、さらにお互いに尊重し合うことを目的としているためフィードバックが必須となります。

 MBTI®の受検およびMBTI®フィードバックを実施する上で、もうひとつ大切なことがあります。それは、MBTI®を単に性格検査のみで使用せず、必ず何かしらの「明確な目的」を持って実施しなければならないということです。

なぜなら、単に性格検査として用いた場合、前述したように性格を「質」的な違い、タイプの違いとして肯定的に捉えず自己と他者とを比較し能力の差や心持ちの強弱など性格を特性として数値化して捉えてしまう可能性があるからです。

これは、MBTI®を実施するにあたり、最も避けなければならない誤用になります。

 よって、このような誤用を避けるべくMBTI®およびMBTI®フィードバックの実施にあたっては、一般社団法人 日本MBTI協会認定のJapan Academia for Psychological Type(以降 Japan-APT)[iii]のトレーニング講座[iv]を受講し、修了試験に合格したMBTI®認定ユーザー資格者のみが行えることになっています。

 また、MBTI®認定ユーザーの資格を取得後も厳格な倫理規定を遵守しなければならず、さらに5年毎の更新までに継続教育の受講ポイントを取得しなければ、資格が剥奪されます。昨今、ネットやSNS上で簡単に受検できるMBTIと称するまたはそれに類似した性格検査が存在しますが、前述したようにMBTI®は受検結果ではなく、受検者ご自身の理解を深める過程を重視しているためMBTI®認定者の支援なくしては「MBTI®」ではないということになります。

 そのためMBTI®認定者は、受検者に対してフィードバックを行う際には、必ず「MBTI®ユーザー登録証」を携行し、実施の前に提示する義務を負っています。このように受検者の利益を最も重要視し、MBTI®認定者自身も高品質であり続けることをMBTI®を提供する資格者団体が大切にしていることがご理解いただけると思います。

[i] “MBTIとは”. 一般社団法人 日本MBTI協会. http://www.mbti.or.jp/what/ (参照2019-03-24)

[ii] Carl, G Jung.; PSYCHOLOGISHE TYPEN. タイプ論. 林 道義 訳. みすず書房, 1987, 644p.

[iii] “Japan-APTについて”. Japan Academia for Psychological Type. http://www.japan-apt.org/ (参照2019-03-24)

[iv] “トレーニング講座”. 一般社団法人 日本MBTI協会. http://www.mbti.or.jp/training/ (参照2019-03-24)

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